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わくわくドキドキ市民活動 NPO法人編(2005年12月)
北区内に拠点を構える特定非営利活動法人(NPO法人)について、北区市民活動推進機構広報部が直接、取材してご紹介します。
NPO法人 ピアネット北
「ピア」は英語で「仲間」を意味し、「ネット」は「ネットワーク」を短縮したもの。ピアネット北は、北区を中心に、障害当事者や家族、施設関係者が障害種別の枠を超え、ネットワークして運営している市民活動団体です。
9月24日(土)、ピアネット北 が北区から運営を委託されている北区障害者地域自立生活支援室(以下「自立生活支援室」)を訪ね、事務局長の谷内孝行さんにお話をうかがいました。
谷内さんが北区の障害者支援の活動に関わられたのは、1998年から。北区ニュースで『みんなで考えよう北区障害者計画』というシンポジウムが開かれるのを知り、実行委員会に参加されたのがきっかけだそうです。当時、福祉関係の大学院生で、通学に便利な滝野川3丁目にたまたま住んでいたとか。その後、福祉関係の専門学校や大学で教鞭をとられながら活動を続け、団体が2002年にNPO法人化して自立生活支援室の事業を受託したのをきっかけに、事務局の専従になられたそうです。今は、ご家族と浮間にお住まいです。
「障害といっても、肢体不自由や視覚・聴覚障害、知的障害、精神障害など多岐に渡っていて、事業が結構大変なのではないですか? 勉強も必要ですよね」という問いかけに、「私自身弱視で、高校は盲学校でした。生活支援室には車いすの職員や障害がない職員もおり、それぞれの立場から障害について話し合い、日々勉強をしあっています」と、谷内さん。ピアネット北の活動を通じて感じていることは「障害者は、同じ障害をもつ仲間だけで固まりやすいのですが、そうすると視野が狭くなるんです。ここの活動では他の障害をもつ人たちと知り合えますから視野が広くなるし、発想が豊かになると思います。」
事務局 の谷内さん
自立生活支援室では障害者向けのユニークな事業も手がけられています。そのうちの一つ、山野美容芸術短期大学の鈴木昌子教授と学生さんたちのご協力を得て実現した『メイクアップ講座』を取材しました。10月8日(土)午後1時半、北とぴあに20代から60代まで、20名の参加者と手話通訳やヘルパーさん等の付き添いの方たちが集まりました。初めに、鈴木先生がメイクの方法を説明します。傍らでは同時進行で、助手の石井先生が実際に職員の楜澤(くるみさわ)さんにメイクをしていきます。「中心から外に向かって」「下から上にのばして」「こすらないで押さえるように」などという説明に、取材している私もつい、引きこまれます。最後に口紅をつけてメイクが終了。モデルの楜澤さんを見て、効果のほどを皆で確認すると、さあ、自分でメイクをする時間です。
化粧道具が中央に置かれた五つのテーブルそれぞれに学生さんたちが付いて、お手伝いをしています。その中のお一人に「今まで、こうしたボランティアをされたことあるんですか?」と伺うと、「車椅子の方の着付けをやったことがあります」とのこと。鈴木先生のお話では、大学の近辺を中心に、施設でのボランティアをよくされるそうです。「メイクを指導することよりも、して差し上げることが多いです」「私は美容だけですが、今の学生は美容師と介護福祉士の両方を3年かけて学んでいて、よくやっているなと感心します」ということでした。
若い参加者からは「普段は(メイクを)していないけど、きちんと習えて良かった」、年配の方からは「歳を取ってもきちんと身だしなみに気をつけたいですね」などの感想がでていました。
12月4日(日)の障害者作品展では、山野美容芸術短期大学のご協力で、ネイルアートが企画されています。
また、北区ITコミュニケーションズの協力で、10月に『デジカメ写真の活用法』、11月に『年賀状を作ろう』、12月に『インターネット・メール』と、パソコンのスキルアップ講座も開催します。障害のある無しに関わらず、「より質の高い人生を楽しむ機会」を提供する事業を意欲的に行っていきたいということです。
さらに教育の分野では、障害がある職員の方たちが小中学校に出向いて障害理解や福祉教育の出前講座を数多く行っています。子どものうちから障害や福祉を理解することが大切で、必ず障害者自身の声を直接聞いてもらっているそうです。
このほか、NPO法人として特色ある事業に障害者のペースでゆっくり旅行をするバリアフリー旅行があげられます。「障害者にとっては、集合場所に行くまでが大変なので、北区から出発して北区で解散できる企画なんです」と、谷内さん。
また、ガイドヘルパー養成研修や介護福祉士受験対策講座など、介護する側の人材育成にも取り組んでいます。こうした講座で使うテキストとして『はじめてのサポート?車いす・視覚障害の方に出会ったら?』(A4版38頁、500円)を出版したばかりです。住みよい街をつくるには、お互いの理解が不可欠、多くの方が手にとっていただければと思います。
(北区市民活動推進機構広報部 我妻澄江)
団体概要
(1)団体立ち上げの
時期・きっかけ1998(平成10)年、北区が障害者計画を策定することをきっかけに、障害者、家族、福祉
関係者等が集まり「みんなでつくろう北区障害者計画実行委員会」として誕生。実行委員会は障害者の声を聴く学習会やシンポジウムを行政と共に開催し「障害者が住みよい北区をつくろう!」という思いは、現在の活動の基礎となっている。(2)活動目的 どんな障害があっても「その人らしく」住み続けることが出来る北区づくりを目指しています。 (3)活動状況 ○北区から北区障害者地域自立生活支援室(障害者福祉センター内:月?土、3905-7226)の
運営を委託され、障害がある方やご家族、関係機関からの相談に応じている。
○バリアフリー旅行を企画。夏はキャンプ、冬は温泉などに出かけている(年数回)
○障害がある方々(視覚・知的・全身性)の外出支援を行なうガイドヘルパーの養成や介護福祉士、福祉住環境コーディネーターの受験対策講座を開催(年数回)
○小中学校をはじめ、企業・行政からの障害理解研修の依頼に対し、講師派遣、研修運営を行
なってる。(年数回)(4)会員数・会員構成 会員数:正会員24人、賛助会員18人
会員構成:老若男女、福祉関係外の方も多数(5)会の運営
(運営委員会・役員会、会費など)理事会、事務局
会費:正会員は年会費10,000円
賛助会員は一口1,000円(3口から)(6)活動を通して
感じること8年間の活動を振り返り、「人と人とのつながり」の大切さを学んだ。ある人との出会いは、
その人が持っている「人のつながり」との出会いでもある。こうした一つ一つの出会いは私
たちの財産であり、地域にとっても貴重な社会資源になりうると思う。(7)近日中の参加可能な活動
毎月第3木曜日の19時から21時まで定例会を開催。見学可。会場は南橋にある北区障害者福祉センター1階。 (8)会の活動のPR
30代前半が中心に法人の運営を行なっている。「経営」の視点から福祉を切り口に様々な分野で活動を展開したいと考えている。分野を問わず一緒に活動していただける方を募集中! (9)連絡先など
ホームページ http://www.peernet.or.jp
Eメール peernet@ma.kitanet.ne.jp
上記の取材については、北区市民活動推進機構ホームページ上でもご紹介しています。また、写真を多数使用した壁新聞『ぷらざニュース』を作成し、 「北区NPO・ボランティアぷらざ」サロンコーナーに掲示してあります。どうぞ、ご覧下さい。
2005年11月30日更新版
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