北区NPO・ボランティアぷらざ
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わくわくドキドキ市民活動 (2006年3月)

去る2月9日、北区NPO・ボランティアぷらざの主催でNPO・ボランティア体験講座の第1回目「ゆったりティータイム『散歩がてら実のなる庭木を探してみると』」が開催されました。
その開催にあたって協力していただいたのが、NPO法人飛鳥会の運営する共同作業所「つばさ工房」の皆さんでした。
焼き菓子の店あすか  飛鳥会は正式名称に「北区精神障害者を守る家族会」とあるように精神障害者(飛鳥会では「当事者」と言っています)とその家族の皆さんが励まし合い、支え合っていくための活動を行っています。当事者の自立と社会参加、そして福祉の向上を目的に、共同作業所、グループホーム、自立支援施設などの運営を、行政とも協力しながら行っています。
 3つある飛鳥会の共同作業所の中でも有名なのは、「第2ワーク・イン・あすか」だと思います。西ヶ原を通るゲーテの小径にあるこの洋菓子店「焼き菓子の店あすか」は地域のお医者さんのご厚意で建てられ、当事者の方たちが働く場となっています。読者の中にもこのお店のクッキーやケーキを食べたことのある方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
 さて、今回うかがった「つばさ工房」も飛鳥会の運営する共同作業所の一つです。治療によって回復した当事者の方々が、住み慣れた地域で、自分らしい充実した生活を取り戻すための支援を、“みんなで働く”ことによって行っています。この「つばさ工房」では、現在、ある試みが進められています。その試みが今回の体験講座にも関わっていました。それは、地域の庭木から採れる果実をジャムにして商品化しようという試みです。
 西ヶ原地域の果実体験講座では「つばさ工房」の皆さんが集めた情報で作った地図に沿って、西ヶ原地区の果実のなる庭木のあるお宅を参加者の皆さんが見て回りました。
 もともと庭付きの戸建て住宅が多い西ヶ原ということもありますが、夏みかん、キンカン、柿など、実際に回ってみると庭木でも実のなっているものが多くあるのがわかります。この他にもビワ、杏、カリン、イチジク、ブルーベリーなど、時期が外れていましたが、1時間ほどで歩き回れる場所に、実のなる植物が多くあることに驚かされました。しかもその多くが実をつけてもほとんど収穫されることもなく朽ちていきます。そんな果実を見て「もったいない」と思ったのが、ジャム作りを始めたきっかけだそうです。
 地域果実を使ったジャム作り体験また、いろいろなお宅から果実をいただくことは、地域とのつながりを広げることにもなります。共同作業所という施設の存在が地域によく知られることで、当事者の社会参加への道が拡がることも考えられます。せっかく病気から回復して働く能力があっても、社会や職場の理解が得られず、本来の能力を発揮できずに仕事に就けない方もたくさんいるそうです。
 これまで「つばさ工房」では内職的な仕事を中心に行っています。しかし、それらの作業では毎日働いても時給にして100円以下にしかならない状況です。当事者の経済的自立も難しいのです。ジャム作りという自主的な生産活動によって、障害を持つ人たちに働きがいのある職場作りと経済的な自立の両立を目標にしたいと考えています。
 現在「つばさ工房」のジャムは、おちゃのこ祭祭などのイベントで販売するなど、限られた所でしか販売されていませんが、地元にあるスーパーや教育機関の協力を得て、今後はお店で販売できるようにしていこうと計画が進められています。そのためには、まだ多くの壁が残されているようですが、みんなで協力して飛び越えてくれることを期待したいと思います。
 皆さんも地域の味、「つばさ工房」のジャムをぜひ試してみてはいかがでしょうか?

 

(1)団体立ち上げの
時期・きっかけ
1970年代に、精神障害を持つ当事者とその家族が支え合うために団体として活動を開始。2000年、東京都の認証を受けて、特定非営利活動法人「北区精神障害者を守る家族会飛鳥会」設立。
(2)活動目的 関係機関と協力し、精神障害者(以下「当事者」という)及びその家族の福祉と生活を守り、社会参加を援助する。(NPO法人定款より)
(3)活動状況 北区精神障害者地域生活支援室「支援センターきらきら」の運営を北区より委託されているほか、グループホームと3つの共同作業所などの運営を行っています。また、当事者の家族が悩みを共有し、分かち合うための講演会や家族懇談会などを行う家族会活動や、障害者自立援プログラムなども実施しています。
(4)会員数・会員構成

会員数・会員構成
家族会約130名、会員約250名

(5)会の運営
(運営委員会・役員会、会費など)
年1回の総会のほか、定期的に例会を開催、会報のあすかニュースも発行しています。会費は月会費300円(年間3600円)。入会は飛鳥会事務局で随時受け付けています。
(7)近日中の参加可能な活動
西ヶ原の第2ワーク・イン・あすかでは手作りお菓子を販売しています。3月5日に北とぴあで開催されるNPOボランティア活動促進フォーラムに飛鳥会の活動紹介ブースを設けます。その場でつばさ工房の手作りジャムもお試しいただけます。施設見学のお申込は飛鳥会事務局までご連絡下さい。
(8)連絡先など

飛鳥会事務所
 〒114-0024 東京都北区西ケ原2-43-1
 TEL:03(3949)3867(FAX兼用)
 時間:月〜金曜日 9:00から17:00

取材:横田正基(広報委員会)

上記の取材については、北区市民活動推進機構ホームページ上でもご紹介しています。また、写真を多数使用した壁新聞『ぷらざニュース』を作成し、 「北区NPO・ボランティアぷらざ」サロンコーナーに掲示してあります。どうぞ、ご覧下さい。

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