北区NPO・ボランティアぷらざ
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わくわくドキドキ市民活動 (2006年4月)

北区NPOボランティアぷらざでは、市民活動と企業や社会人の関係を強めることによって、活動促進や相互交流が実現することを目的として下記フォーラムを開催しました。

NPO・ボランティア活動促進フォーラム 「企業、社会人を巻き込む極意!」

○今、なぜ企業、社会人か?
 現在、働き盛りの社会人や定年前後の世代のボランティア活動への参加意欲が高まっていると言われています。社会的背景のひとつには、CSR(Corporate Social Responsibility)と呼ばれる企業の社会的責任を重視する事業所が増加しており、その取り組みのひとつとしてNPOと協働で社会貢献活動を推進したり、社員のボランティア活動を休暇や情報提供などの制度面から支援するところが増加していることが挙げられます。しかし、このような社会の流れの一方で、地域のNPOやボランティア団体に社会人の参加や企業との連携が実感として増えているのか?というと、まだまだ社会の流れと現場の実態にはギャップがあることが課題といえます。
 そこで今回は、多様な能力やネットワークを持った働き盛り世代や退職前後の世代を地域の市民活動に巻き込み、NPOと企業の双方にとって良い関係をどのように築いて行けば良いのかを考える機会として開催しました。
活動紹介をする参加団体のみなさん右から田中氏、井上氏、宮原氏○熱気あふれるフォーラム
 このフォーラムでは、団体として参加してくださったボランティアグループやNPO法人など20団体がパネル展示と活動紹介のスピーチを行い、さまざまな領域で市民活動団体が活躍している様子が伺えました。参加者も80名を超え、熱気が部屋一杯という大盛況ぶりでした。
 ひきつづき行われたシンポジウムでは、北区在住のコンサルタント(元経団連社会本部)の田中康文さん、日本電気株式会社CSR推進本部社会貢献室の井上忠志さん、資生堂労働組合の宮原淳二さんをシンポジストに迎え、企業の社会貢献のトレンドと社員のボランティア参加の状況についてお話を伺うことができました。
 経団連(現:日本経団連)で社会貢献推進のお仕事をされていた田中さんからは、企業が社会貢献やCSRに取り組むようになった背景や傾向についてのわかりやすい解説や、NPO側から企業にアクションをおこす際のヒントについてお話をいただきました。
 学生時代からボランティア活動を続けているという井上さんは、NECの社会貢献活動についてお話をされた上で、『ボランティアには関わりに応じてプチボラ・チョボラ・本ボラという3つの段階がある』というお話をされました。最初はちょっとしたボランティアでも活動への関わりが深くなり責任も持つようになると、それにしたがってやりがいや喜びも増えて、ボランティア自身も成長していくという意味だそうです。簡単なこと、ちょっとしたことでも、まず始めることが大事であるというメッセージをいただきました。井上さんのお話をうかがい、ボランティアに関わった社員は定年をむかえた後に地域社会に溶け込むことは容易なのではないかということを感じました。
 そして資生堂労働組合の宮原さんからは、社員が業種を活かして老人ホームへのお化粧サービスなどを行っている事例や、ご自身も好きなスポーツを通じてボランティア活動に関わっていることをご紹介いただきました。労働組合も最近は社員の福利厚生やキャリアアップの支援に重点を置いていて、会社と連携して社員のボランティア活動などを積極的に支援、推進するとともに、会社としても社会貢献ための基金を設立し社員や株主の参加でNPO等に寄付を実施しているとの紹介がありました。また、資生堂は社内保育施設も整備されていて、自社だけでなく近隣の会社の方の保育も引き受けているとのことで、子育ても企業の社会的責任の一つとして捉えている様子がうかがえました。
 シンポジストに対して会場からも活発な質問が出て、参加者の関心の高さが伺えました。終了後、井上さんから「北区は熱い!皆さんの活動をうかがって、これだから本ボラはやめられない!」というコメントをいただきました。
熱気あふれるシンポジウム事例報告:NPO飛鳥会の松浦さん

 

 

 

 

 

○北区にもあったこんな事例!
 シンポジウムの後には、北区での社員ボランティアの活動事例として、北区民オーケストラの障害者招待演奏会の運営を富士ゼロックスの社員ボランティアが支援している事例が紹介されました。この中でボランティアの参加だけでなく、社員がボランティアとして関わった所へ寄附をする制度を持つ企業もあるという話もあり、参考になりました。
 次に、NPOと企業のパートナーシップの北区内での実例として、NPO法人飛鳥会が運ジャム料理の試食と交流会営する障害者共同作業所「つばさ工房」のジャム作りについて報告がありました。作業所の周辺のお宅の庭で、いつまでも収穫されない果実をみて「もったいない」と思ったところから障害者の仕事づくりにならないかとアイディアが浮かんだとのこと、そして「家の人は果実を収穫できない理由があるのだろうか。もしかしてお年寄り一人暮らしで収穫できないのだろうか?」というところに心が動き、このような地域の果実をいただきながらのジャムづくりは地域交流にもつながるのでは、と思い地域果実のジャムづくりを始めたそうです。しかし作業所ではジャムづくりの知識や技術に不安があり、支援が欲しいと考えて、都内に複数出店している地元のスーパーに相談したところ、商品の仕入れを担当しているバイヤーさんに相談できることとなり、製造過程や販売技術など細かな指導をしていただき、目からうろこの新しい発見があったそうです。将来的にはスーパーにも商品として置いていただけるような安全で質の高いジャムをつくっていきたいという夢を語っていただきました。企業というとお金や商品の寄付などの支援をイメージすることが多いのですが、商品製造、管理など企業の本業であるソフト面や専門の人材での援助をしていただく関係がNPOの活動支援につながったという報告でした。
 この報告に対して、障害者の仕事づくりとしてのジャム製造にとどまらず、地域の方にも喜んでもらい、つながりをもてるような視点があり、ボランティアの原点を見たような気がしたという会場からの声も聞こえてきました。つばさ工房のジャムを使った数々の料理の試食タイムには、会場の皆さんで和気合い合いと交流しながらおいしい料理に感謝をしていました。
 今回のフォーラムで、企業の社会貢献の現状を学びながら、受け入れ先としてのNPOやボランティア団体の姿勢も同時に考えていく必要があるのではと感じました。企業とNPO・ボランティア団体がどうパートナーシップを築いて、よりよい地域社会を構築していくのか、今後も皆で一緒に考える場を持てたらと思います。
(フォーラム担当:佐藤、横田、小原)

■□■ フォーラム参加団体 ■□■
1.北区荒川っ子クラブ 
2.NPO飛鳥会  
3.社会参加支援センター・リーラ 
4.トライネットワーク 
5.点訳サークル六星会(福祉センタークラス)
6.赤羽自然観察公園どんぐりクラブ 
7.NPOエンディングコミュニティ縁生舎 
8.北区たすけあいワーカーズひよこ  
9.東京シューレ  
10.シャットミュウミュウの会 
11.東南アジア保育支援事業 
12.北区男女共同参画推進ネットワーク 
13.地球市民交流会(GCI) 
14.北区水辺の会 
15.NPO法人つみき 
16.NPO北区地域情報化推進協議会 
17.北区子ども感動コミュニティ機構 
18.NPO法人ピアネット北 
19.東京ほくと医療生協保健委員会 
20.NPO法人生活福祉ファクトリー子育て支援
  に関する研究会

みにきたWEB利用上手な団体表彰!

今回のフォーラムでは、みにきたWEBの登録団体の中から、WEB上での情報提供の頻度や内容をもとに6団体を表彰しました。

大賞を受賞した六星会(福祉センタークラス)のみなさん伝わってくるで賞の「グループかすたねっと}さん

 

 

 

 

 

表彰団体は下記の通りです。
◎大賞
  六星会(福祉センタークラス)
◎参考になるで賞
  北区史を考える会
◎行ってみたいで賞
  NPO法人生活福祉ファクトリー
◎定期的で賞
  きたく子ども劇場
  北区男女共同参画推進ネットワーク
◎伝わってくるで賞
  グループかすたねっと

みにきたWEB(北区市民活動情報サイト)は下記のURLでご覧になれます。
http://minikita.kitaku.net/

上記の取材については、北区市民活動推進機構ホームページ上でもご紹介しています。また、写真を多数使用した壁新聞『ぷらざニュース』を作成し、 「北区NPO・ボランティアぷらざ」サロンコーナーに掲示してあります。どうぞ、ご覧下さい。

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