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わくわくドキドキ市民活動 (2006年8月)
北区内で活動しているボランティア団体を広くご紹介するページです。今年度は「みにきたWeb(北区市民活動情報サイト)」の利用団体を取材していきます。今月は「みにきたWeb利用上手な団体表彰」の「定期的で賞」を受賞した「きたく子ども劇場」です。
きたく子ども劇場
『きたく子ども劇場』は、北区在住の会員を中心に30年以上も前から活動している市民活動団体です。会員は4歳から大人までの幅広い年齢層で、演劇やコンサート・芸能など、様々なジャンルの生の舞台を観たり、キャンプや講演会の開催など、多様な活動をしています。会員制ですが、講演会や遊ぶ会には会員外の参加も受け入れており、毎秋に開催されている『北とぴあ演劇祭』では北区文化振興財団と共催し、例会(会費で企画運営し、年齢に合わせて観る舞台をこう呼ぶ)のチケットをぴあで販売しています。
6月7日(水)、北とぴあに近い事務所を訪ね、事務局長の芳澤礼子さんと運営委員長の師岡礼子さんにお話をうかがいました。事務所は、同じ文化団体として協力関係にある『城北演劇を観る会』と共同で借りています。
入会して24年になるという芳澤さんは、「きっかけは、小さい子も参加できるキャンプがあると、友達に誘われて。先輩お母さんたちの話を聴いていく中で、子育ての不安が少しずつ消えていって、たくさんの繋がりができましたね。途中から事務局になって、これからも、自分がここで得たことを若い会員さんに伝えていきたいです。」「私は、街角に貼ってあったポスターを見たのが入会のきっかけです。視野が広がったり、幅広い年齢層の仲間ができたり。文化という切り口で、世の中が見えてくる場です」と、運営委員長歴6年の師岡さん。
会員制で舞台を観る(聴く)意味は?−「親子や友達と一緒に、自分たちの観たい舞台を自分たちで企画運営したいから。劇団と交渉したりホールを借りるには、1年以上前からの準備が必要なので、会費という財政的な基盤が必要です」「家族や仲間と定期的に地元で同じ舞台を観て、感動を共有する。観た後にあれこれ感想を言い合うのもコミュニケーションのきっかけになります。」
7月2日(日)には、赤羽会館小ホールで、子ども集団部企画の講演会『大人が立ち止まらなければ〜子どもと関わることは、自分の生き方をふり返ること〜』が催されました。講師の小柳晴生さんは、前香川大学教育学部教授で臨床心理士。学生相談カウンセラーとしてキャリアの長い方です。「3年前の講演会がとても好評で、今日はリピーターも少なくないんですよ」と、芳澤さん。
会場には、幼児〜小学生の子育て中のお母さんを中心に、会員外も含めて70名程が集まり、司会は集団部部長の浜野けい子さん。「子ども劇場は、子育て中の母親にとっては、地域での“子育てネットワーク”にもなっていて、子育てについて学ぶ機会として、こうした講演会を開催しています。会員外の方も参加できる、地域に開かれた活動をしていきたいです」とのことです。
講演の内容を少しご紹介しましょう。「子育ては子守唄の速度−1分60拍、時速4kmの世界です。現在は、世の中が時速60kmで動いていると思ってください。電気製品によって家事が楽になり、育てる子どもの数も少なくなったのに、今、子育てに悩む親が増えているのは、普段の生活と子育てのスピードのギャップが大きいためです」「多量の情報が溢れている時速60kmの生活は、『毎日がお祭り、躁状態の社会』です。人間の解析能力はそう変わらないので、2000年を境に自殺者が増えているのもうなずけます。」
会場からの質問に答えて、「子どものお尻を叩いて時速60kmで走らせて『勝ち組』にしようとすると、うつ状態になって、(最近の少年事件のように)家に火がつくかもしれません。『勝ち組に幸あり』、けれども、『負け組に福あり』なのです」とも仰っていました。子育て中の若い友人に、是非話してあげたい内容だと感じました。
7月8日(土)の夜には、小学校高学年以上を対象にした例会、文学座の『アラビアンナイト』の上演がありました。休憩時間を含めて2時間50分にも及ぶ舞台でしたが、コミカルな演技に客席が大いに沸き、終演後、感想を書く親子連れが大勢いました。
長年、舞台の企画や上演について取り仕切ってきた事務局の津田益宏さんによると、「生の舞台から受け取るものって、大きいです。」「子どもが成長していく中で大切なのは三つの間。時間と空間、仲間です。」とのこと。そう、ここには、同じ時間と空間を共有する仲間がいるんですね。
7月末には親子キャンプ、8月には小学4年生以上が参加する子どもキャンプがあります。子どもキャンプには企画の段階から親は参加せず、中学生や高校生、青年が実行委員会を組織して自主的に運営します。「自主性」と「創造性」は、子ども劇場が最も大切にしていることです。
『みにきたWeb』担当の朝日ゆりさん(副運営委員長)は、受賞について「これからも、素敵な仲間に出会えるこの場を、たくさんの方に知ってもらいたいです」と、おっしゃっていました。(取材:KiVo広報部 我妻澄江)
(1)団体立ち上げの
時期・きっかけ1972年、人形劇団プークの松本氏より「子ども劇場」の活動を紹介されて、準備会を発足。
1975年、発足総会。
※「子ども劇場」は、1966年、テレビが普及し、子どもたちへの影響を懸念した母親と青年が福岡で立ち上げた。「生の舞台」を見ることと、自分たちで自主的に活動をつくるということを大事にしている。(2)活動目的 文化的な活動を通して、子どもたちの健全な成長を図ること。健全な成長とは、「子どもの権利条約」の精神に沿って、子どもたち一人一人が自分らしく伸び伸びと育ち、友情・創造性・自主性を育むこと。
(3)活動状況 主に北とぴあのホールで、年齢に合わせて「生の舞台」を年間5〜6本鑑賞。
6月 子どもまつり(中央公園の広場でお店やさんごっこや体を使ってのゲーム)/7月 親子キャンプ/8月 子どもキャンプ(対象:小学4年生〜青年)
*その他、講演会や遊ぶ会など随時開催(4)会員数・会員構成 約700名(4才〜大人)。基本は親子だが、高校生以上は親なしでも参加可。子どもたちが成長し、親だけが残っているケースもある。北区以外に隣接区在住の会員もいる。
(5)会の運営 会員の活動は3世帯以上のサークルが基本単位で、地域のサークルをまとめたものがブロック。
ブロックは、桐ヶ丘・西が丘・十条・東十条&豊島・王子周辺・滝野川・昭和町・豊島区・文京区と青年の計11ブロックある。
運営委員会は、ブロック長・専門部長・正副運営委員長及び事務局で構成。今年度は計27名。
専門部は6部会(広報・財政・幼児・集団・「生の舞台」企画・実施に向けての情報交換等)
*会費:月1,500円(4才以上)
3才以上は、おまめ会員で無料(登録制)(6)活動を通して得たもの 文化豊かな環境。ゆるやかだが、豊かな人と人とのつながり。
(7)近日中の参加可能な活動
9/8(金)午後6時30分開演 北とぴあさくらホール 人形劇団むすび座「西遊記―悟空誕生
の巻」 *会員以外の一般料金:4才以上は3,500円(8)会の活動のPR
9/8(金)午後6時30分開演 北とぴあさくらホール 人形劇団むすび座「西遊記―悟空誕生の巻」 *会員以外の一般料金:4才以上は3,500円
(8)連絡先
TEL:03-3919-2990
Eメール kangeki_you2@ybb.ne.jp
ホームページ http://www3.ocn.ne.jp/~sumi/
上記の取材については、北区市民活動推進機構ホームページ上でもご紹介しています。また、写真を多数使用した壁新聞『ぷらざニュース』を作成し、 「北区NPO・ボランティアぷらざ」サロンコーナーに掲示してあります。どうぞ、ご覧下さい。
2006年7月29日更新版
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