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わくわくドキドキ市民活動 (2006年10月)
今年も、夏休みを利用して「夏!体験ボランティア(夏ボラ)」が行われ、300名近くの参加者がボランティア活動体験をしました。保育園、児童館、高齢者施設、心身障害者施設・作業所、市民活動グループなど、135の施設・団体に受入れ先として協力していただきました。今年初めてボランティアを受け入れた市民活動団体の感想と、高齢者施設でボランティア活動体験をした方たちの様子をご紹介します。
「夏!体験ボランティア2006」を終えて
ボランティアを初めて受け入れて
私達『ケージーイーKGE☆ネット(Kita-ku Gender Equality Network)』は、男女共同参画を基本に世界の女性たちの現状を知り、自分たちを知ろうと、「リプロダクティブ・ヘルス」(母子保健、エイズ予防など、人間の生涯にわたる健康と権利)について啓発活動をしている団体です。7月下旬にスペースゆう(北区男女共同参画センター 北とぴあ5・6階)のパートナーシップ事業として、「妊娠シミュレーターで妊婦疑似体験!命の重さを知ろう」というワークショップをNGO団体(財)ジョイセフから講師を迎えて開催するにあたり、ボランティアを募集しました。
(当日の様子は、みにきたWebの活動紹介ページをご覧ください http://minikita.kitaku.net/)7月9日(日)に開かれた「夏ボラ」説明会では、参加者が昨年よりも少なく、KGEに申し込みが無いのではと心配をしていましたが、二人の女子中学生が参加をしてくれました。イベントに先立ち、7月23日(日)にスペースゆうで二人と顔合わせを行い、団体の活動やイベント説明を行いました。そして、6階プラネタリウムホール壁「ギャラリー遊」隣のコーナーに、アジアやアフリカの女性たちの写真パネル展示を行う作業も手伝ってもらいました。
彼女たちは落ち着いていて、かわいいなかにも自立したところが伺えて、しかも頼りになりました。最初のパネル展示では、私たちメンバーと一緒に、脚立や金槌を使って、テキパキとパネルを壁に掛けていきました。私達の団体は少人数の上、仕事や他の市民活動などで忙しい人ばかりなので、行事を行うときは人手が足らず大変でしたが、彼女達のおかげでとても助かりました。
7月29日(土)に開催したイベントは、主にアジアの女性たちの出産の大変な状況を知ってもらうことと、自分たち自身の身体の大切さを知ってもらうことがテーマでした。当日は、会場設営から、受付、講演、体験、片付け、終了後のミーティングとすべてに参加してもらいました。ワークショップでは、ちょっと恥ずかしそうでしたが、他の参加者たちと一緒に、臨月の胎児の重さを体験できるベスト状の「妊娠シミュレーター」の装着もしてもらいました。「妊婦姿」になって、ござの上に寝たり起きたり、物を拾うなどの動作をしてもらい、身体にかかる負担を実感してもらいました。また、まだ若い彼女達に講師のお話を聞いてもらえたことも成果の一つでした。
講師の方も、若い二人に聞いてもらえたことが嬉しかったと話していました。
終了後、二人に感想を聞きました。「なぜ、このボランティアに参加をしたの?」と尋ねると、「以前、職業体験の授業で、助産婦さんの付き添いでお産の現場に立ち会ったことがあるので、興味があった」「世界の女性のことにも興味があった」と、こちらの意図するところを、最初から目的意識をもって参加していることに驚きました。「なんとなく」というのではなく、自分の知りたいことをもち、海外の女性にまで思いをよせていることなどを頼もしく感じました。私達はいつも、子どもたちには、先進国だけでなく、いろいろな国の状況を知ってもらいたいと考えていますので、この体験が子ども達の目を大きく向けさせることになればと思っていました。私たちの活動が、彼女たちの期待に応えられたようでうれしい気持ちでした。「夏ボラ」で活動のお手伝いをしてもらうことで、未来を担う若い世代に私たちの活動について知ってもらい、新たな情報も提供でき、有意義な受け入れ体験でした。(KGE☆ネット代表&KiVo広報部 佐藤幸子)
体験の現場から
8月15日(火)、北区志茂の「特別養護老人ホームみずべの苑」を訪ねました。ここは、デイサービス、ショートステイ、特別養護老人ホームなどを併設している複合型福祉施設です。
職員の大渡さんにお話を聞き、館内を案内していただきました。こちらのホームの入居者は50人。そのほとんどが介護度の重い方だそうです。北区内には、このような施設に入れずに、600人もの方が自宅待機中とか。
この夏、「みずべの苑」で9人の方が「夏ボラ」に参加されましたが、そのうち、この日お年寄りに付き添っていた、女子大学生と男子専門学生のお二人にお会いし、お話を聞きました。
女子大学生の方は、健康福祉学部の2年生。高齢者の増加や疾病構造の変化等から、従来の看護の知識に加えて在宅医療、訪問看護、終末期医療の対応が求められている現在、「保健医療現場で働きたい」と、勉強しています。
初めてのボランティア活動は、お年寄りのお話し相手。そのお年寄りの方に、始めは「何も判らない、判らない、食事したのも判らない」「食事していない」と言われて、なんと言って相手をしたらよいのか判らず、途方にくれた表情でした。でも、だんだん慣れてきて、車椅子を押しながら屋上の庭園に行くまでには、もう顔を近づけてお話ししていたのにはビックリ。きゃしゃで苦労知らずのように見えた、無口そうな学生さんですが、「これなら大丈夫!」と思いました。自分の周りにはお年寄りがいないので対処の仕方が分らず、特別養護老人ホームを選んだとの事。「戸惑いもありますが、いろいろな看護・介護の知識を得たい」と張り切っていました。もう一人のボランティア体験者は、専門学校に通う男性の方。物静かで穏やかな、いかにも優しそうな好青年です。ボランティア活動は、ここ、「みずべの苑」が初めてとのこと。でも今日が7日目ということで、慣れた感じでお年寄りの相手をしています。ここを選んだのは、来年度福祉関係の大学を受け、将来は介護士になりたいからだそうです。そして、家にはまだまだ元気なひいおばあちゃんが居て、「おばあちゃんと話をしているととっても楽しいと思えることが、介護の道に進もうと思ったきっかけなんです」「何よりも、人が喜ぶ姿を見るのが嬉しい」のだそうです。「介護には精神力と体力が必要と思うけど、大丈夫?」と聞くと、「大丈夫!」と力強く答えてくれました。
お二人とも、看護師や介護士になりたいというすばらしい志を持っています。お二人が付き添っていた方たちもそうでしたが、私には、どのように対応してあげたらお年寄りの方に満足してもらえるのか分からなくて、大変な職場だなと感じられました。昨今テレビをにぎわせている若者たちの様子とは違い、キラリと光る2つの星。どうか頑張ってと思いながらホームを後にしました。(取材:KiVo広報部 奈良京子・村岸延子)
上記の取材については、北区市民活動推進機構ホームページ上でもご紹介しています。また、写真を多数使用した壁新聞『ぷらざニュース』を作成し、 「北区NPO・ボランティアぷらざ」サロンコーナーに掲示してあります。どうぞ、ご覧下さい。
2006年10月8日更新版
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