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わくわくドキドキ市民活動 (2006年11月)

 北区内で活動しているボランティア団体を広くご紹介するページです。NPO法人東京都北区市民活動推進機構(愛称KiVo)の広報部メンバーが、直接、活動の現場に伺って取材をしています。今年度は「みにきたWeb(北区市民活動情報サイト)」の利用団体を取材していきます。

北区史を考える会

『みにきたWeb利用上手な団体表彰』で「参考になるで賞」を受賞した『北区史を考える会』は、中央公園文化センターで開催された区民講座『北区史への誘い』の受講をきっかけに結成されました。すでに20年以上も活動を続けている団体です。座学の月例研究会と史跡を巡る史跡研究会を交互に行い、会員外の参加も受け入れています。9月19日(火)〜28日(木)には、王子駅隣接の王子カルチャーロードで会員による手書きの古地図を展示して、地域の歴史を紹介していました。
石川光威さん(左)と榎本龍治さん(右)9月30日(土)の夜、取材のために東十条ふれあい館を訪れました。この日は「隠れた古文書を読む」という内容の月例研究会が開かれました。
研究会が始まる前に、会長の石川光威さんとみにきたWebを担当している榎本龍治さんにお話を伺いました。
『みにきたWeb利用上手な団体表彰』については、「びっくりしましたが、とても励みになりますね。他の団体に負けないように更新していかないと」と榎本さん。「榎本」という姓について伺うと、「江戸時代の十條村では、30%が木さん、15%が榎本さんでした。どこの村も、たいてい決まった名字の家で構成されていたようです」という説明をしてくださいました。

石川さんは四谷に生まれ、15歳の時から北区にお住まいだそうです。
  「発足時は30名ほどだった会員数が、今は130名に増えていますね。」と会員数について尋ねると、「会報と『北区郷土誌』を出して、それを見た方が大勢入ってきたんですよ。一時は240名くらいいたんですが、高齢化で減ってきています。」「『北区郷土誌』は図書館等に置いてありますが、もう販売していません。在庫がもう無いんですよ。」
9月14・15日には、会員の原田静男さんが中央工学校歴史館(王子本町1丁目)にお勤めだという縁で、中央工学校の軽井沢施設を見学したそうです。古くからの会員である馬場永子さんが、「いつもの月例会とは違う臨時の宿泊研究だったんですが、中央工学校は100年近くの歴史があって、見るべきものがたくさんありました」と、話してくださいました。
さて、研究会の開始時刻です。今日は12名の参加で、講師は取材を受けてくれた榎本さん。都公文書館から明治時代の古文書をコピーしてきたものが教材です。内容は、東京がまだ「府」だった頃の「下十条村」住民からの「共葬墓地の樹木伐採願い」とそれに対する知事からの回答です。明治時代になると、自己流で字を崩す人がいたため、江戸時代のものより読みにくくなっているとのこと。古文書を読み解くという研究会は以前から行われているそうで、講師の榎本さんが参加者と活発な遣り取りをしながら読み進めていきます。埋葬などに差し障るということで43本の樹木伐採を願い出たのですが、お役所の実地調査で9本のみが許可されたという結末です。
  「当時は、共同墓地は保護されていて、勝手に木を切ることできなかったんですよ」「共同墓地は税金がかからなかったんですが、その分、役所が口を出してきたようです」と時代背景を考察したり、「これはどの辺りでしょうかね」と言いながら、お手製の古地図で場所(現在の岸町)を押さえ、連名で文書を出した名前から、その辺りの現在までの住民の家系を辿るなど、話題が広がっていきます。なるほど…。「古文書を読む」というのは、こんな風に奥が深いことなのだと気付かされました。
会の終了後は、10月14・15日に開催される『赤羽文化センター祭』での展示や来月の例会の打ち合わせ。史跡巡りで荒川に出掛けるそうです。
月例研究会は日中の開催が多く、外部から講師を招いて学習したり、古くからの会員による座談会など、いろいろな内容で行っているということです。地域の歴史に興味のある方は、一度、参加されてみてはいかがでしょうか。

(取材:KiVo広報部 我妻澄江)

 

(1)団体立ち上げの
時期・きっかけ

昭和58年1月設立。前年、中央公園文化センターで開かれた区民講座「北区史への誘い」(講師:芦田正次郎先生)の受講生や北区民大学・歴史部会修了生たちを中心に有志約30名で結成。

(2)活動目的

北区の歴史を研究・発表・伝承する活動を通し、地域文化の発展に寄与すること。地域の古老たちが語る昔の様子を記録し、次の世代に伝えることにより、当地域固有の文化を再認識し、地域活力・地域交流の向上に寄与すること。社会教育の推進などを目的とする。

(3)活動状況

毎月1回「月例研究会」もしくは「史跡研究会」を開催。年間4回(2・5・8・11月)会報発行。会員・区立図書館など関係各所に配布。赤羽文化センター祭や王子カルチャーロードに出展。会報は昭和61年8月創刊。現在81号。『北区郷土誌』1・2巻を出版。ほか

(4)会員数・会員構成

会員数130名(平成18年1月現在)
主に北区内在住者中心。50代以上の方が大多数で、40代は数名。男女比率は同じくらい。

(5)会の運営

運営委員10名ほどが年に数回、運営委員会を開き、活動運営を協議。会長1名。副会長は現在空席。
年会費2,000円(以前は入会金制度があったが現在は廃止)。月例会は参加費500円(会員・非会員問わず)。

(6)活動を通して得たもの

自分が暮らす地域への思い(を新たにする)。仲間たちとの出会い。貴重な体験の生証言。更なる使命・任務の発見(やりがい・いきがい)。もちろん研究の前進、他の研究への貢献など活動本来の成果や情報も大きな収穫です。

(7)近日中の参加可能な活動

◎史跡研究会「古くて新しい岩渕赤羽」
  11月19日(日)朝9時赤羽岩渕駅改札集合。
  コース:赤羽八幡・宝幢院・新荒川大橋・荒川知水資料館・赤羽駅・稲付城跡・香取神社
◎月例研究会「高野山過去帳と北区農民の信仰」(仮題) 講師:倉木常夫氏
  12月9日(土)午後1時30分より滝野川文化センター第3学習室

(8)会の活動のPR

北区内の各町ごとに地域史座談会を計画しています。ぜひ自分の町で座談会をやりたい、という方はご一報ください。その他北区の歴史に関する研究を募集中。随時入会可。入会ご希望の方は、石川会長宅までご連絡を。

(8)連絡先

TEL:03-3901-3735(会長:石川さん)

 

★北区を中心とした市民活動の情報を提供する『みにきたWeb』(下記HPアドレス)を、皆さんも是非一度、ご覧になってください!
  (HPアドレス:http://minikita.kitaku.net/

上記の取材については、北区市民活動推進機構ホームページ上でもご紹介しています。また、写真を多数使用した壁新聞『ぷらざニュース』を作成し、 「北区NPO・ボランティアぷらざ」サロンコーナーに掲示してあります。どうぞ、ご覧下さい。

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