現在地:ホーム>発行物>過去のぷらざ通信>2010年3月号>わくわくドキドキ市民活動(2010年3月)
わくわくドキドキ市民活動 (2010年3月)
北区で活動しているボランティア団体を広くご紹介するページです。NPO法人東京都北区市民活動推進機構(愛称KiVo)の広報部員が、取材しています。
きつつき会
『きつつき会』は、地域に根ざした手話サークルとして、聴覚障がい者の福祉について共に学び理解し、福祉の向上を目指している団体です。赤羽会館を拠点に活動をされており、来年40周年を迎えます。
2月2日(火)午後6時より、赤羽会館小ホールで会長の小野さんと副会長の横須賀さんにお話を伺いました。◆入会のきっかけ
小野さんは、昭和53年、『北区手話講習会 第3期』の受講をきっかけに入会。「障がい者施設に勤務していて、興味がありました。前は、障がい者に対する差別が今以上にあったし、とても暮らしにくかったので、少しでも役に立ちたいという気持ちで、ここまできました。」
横須賀さんは「(住んでいる)団地にろう者が越してきたので、コミュニケーションをとりたいと思って。」
団体名の由来は、「コツコツ努力する」から『きつつき会』。会報には、ロゴマークが載っています。
◆悩み
『きつつき会』では、毎週火曜日の夜、赤羽会館で学習会を行っています。入門・初級・中級・上級に分かれて、ろう者の方と直接手話を遣り取りする練習をしていますが、50人近くの参加者で使用する会場の確保が難しく、毎月の抽選会でホールが取れない場合は、分散して行うことになるとか。
「あと、後継者を育てたいですね。私たちがサークルに入った頃は、大学生や保母さんなど独身の20代の人が多かったけど、仕事を始めたり就職したりで離れていき、会員の年代が上がってきました。不況でボランティアをする時間的な余裕がなくなってきていますし。」◆ワークショップ『見ることの大切さ』
学習会以外に、年に5〜6回、手話に限らず色々なテーマで学ぶ『講演会』も開いています。取材日は、映画『ゆずり葉』にも出演された『日本ろう者劇団』の井崎哲也さんを講師にお迎えした特別講演会。初級者もいるため、ベテランの会員さんが講師の手話をマイクで通訳されています。
まずは、じゃんけんゲームから。全員が椅子から立ち上がり、講師に負けた人から座っていくという普通の「じゃんけん」。その後、「負けた人が残ってください」と言われ、会場には戸惑いが広がります。
更に、「後出しじゃんけん」へと進み、講師が何を出すか分かっているのに「負ける」ために何を出すか咄嗟に判断できず、タイミングが遅れる人が多数いて、普段し慣れていない「負ける」という動作の難しさを実感します。最後には、両手別々のじゃんけんで「負ける」という難度の高い動作を行い、会場の反応が高まります。
次は、口話の読み取りゲーム。二人一組になり、手話なしで唇の動きだけで講師が板書した内容を伝え合います。講師に指名されて板書すると、「公演」が「講演」や「公園」に、「なまこ」が「卵」や「煙草」に化けていたりで、「当たった」かどうかに会場が大いに沸きました。
その他、テレビで活躍している芸人さんの名前をジェスチャーで当てるゲームや、自然な表情によって伝わり易くなるという話など、分かりやすい内容と講師の表情豊かでユーモアたっぷりのお話で、皆さん楽しく学ぶことができたようです。講師の方の手話は、多くの人に伝わるようにはっきりとしていることが、素人目にもわかりました。◆活動と夢
ろう者と会員で手話指導に区内の小中高校へ出向くことも、少なくありません。「ろう者は外見からでは障がいが分からず、配慮されにくいのです。学校では、例えば、後ろから来る自転車のベルに気付かずヒヤリとすることなどをお話して、ろう者理解の啓発活動をしています」とのこと。
会員やろう者との懇親のために、8月に納涼会、12月には忘年会を開きます。皆で持ち寄るご馳走が大人気で、毎回100人ほどが集まるそうです。
これからの目標・夢について、小野さんと横須賀さんは、「ろう者が、いつでもどこにでも、自由に参加できるような社会になってほしい。ろう者は情報障がいと言われています。区内の行事やイベントには、いつでも手話通訳が付いているわけではありません。ろう者が安心して自由に参加できる環境を整えることができたらいいですね。そのために我々が社会資源となり、ろう者と聴者の橋渡しができたら良いと思います。」
バリアフリーの社会は、誰にとっても住みやすいと言います。ろう者が暮らし易くなるにはどうしたらいいか、それを地域で広く伝えていく「架け橋」になり、「共に生きたい」いう会員の皆さんの熱意を強く感じることができた夜でした。
(取材: KiVo広報部 我妻澄江)
きつつき会
(1)団体立ち上げの時期・きっかけ
聴覚障がい者の父親をもつ子どもが保育園に入園したことから、その父親とコミュニケーションをもちたいと保母さん達が手話を勉強するため、昭和46年2月に手話サークルを始めた。(2)活動目的
地域に根ざしたサークルとして、聴覚障がい者の福祉について共に学び理解し、福祉の向上を図ること(3)活動状況
週1回の手話の勉強の他、講演会やサークルの行事、学校や企業への手話指導などのボランティア活動(4)会員数・会員構成
67名、主に北区在住・在勤者 原則として高校生以上(5)会の運営
会長、副会長、会計、事務局、レクリエーション部、新聞部、学習部など
会費:年間2,500円
その他、北区聴覚障害者協会、手話サークル連絡会(東京都と北区)にも参加(6)活動を通して得たもの
地域の聴覚障がい者との交流の中から生きた手話を学べる
障がい者と共に歩むということ(7)近日中の参加可能な活動
例会:毎週(祭日以外)の火曜日の夜、赤羽会館にて、見学可(8)会のPR
手話を学ぶことは時間がかかります。きつつき会の名前の由来のように、コツコツ努力して勉強しましょう。聴覚障がい者の皆さんがやさしく教えてくれますよ。(9)連絡先
みにきたWeb:
http://minikita.kitaku.net/gnkk01/mypage/index.php?gid=G0000085
★北区を中心とした市民活動の情報を提供する『みにきたWeb』(下記HPアドレス)を、皆さんも是非一度、ご覧になってください!
(HPアドレス:http://minikita.kitaku.net/ )
上記の取材については、写真を多数使用した壁新聞『ぷらざNews』を作成し、《北区NPO・ボランティアぷらざ》サロンコーナーに掲示してあります。どうぞ、ご覧ください。
2010年2月25日更新版 |
|
〒114-8503 東京都北区王子1-11-1北とぴあ4階 電話:03-5390-1771
開館日時:火曜日〜土曜日(10時〜21時)、日曜日(10時〜17時) 開館日程 Copyright - c東京都北区NPO・ボランティアぷらざ 2003- All Rights Reserved. |