北区NPO・ボランティアぷらざ
このサイトの中を検索
施設案内 ぷらざ質問箱 ボランティア情報 催し・講座案内 助成情報 発行物

現在地:ホーム発行物過去のぷらざ通信2008年1月号>わくわくドキドキ市民活動(2008年1月)

わくわくドキドキ市民活動 (2008年1月)

 北区で活動しているボランティア団体を広くご紹介するページです。NPO法人東京都北区市民活動推進機構(愛称KiVo)の広報部メンバーが、『みにきたWeb(北区市民活動情報サイト)』登録団体を取材しています。

NPO法人シネマ・アクセス・パートナーズ

『シネマ・アクセス・パートナーズ(以下CAP)』は、視覚障碍者のために映像に「音声ガイド」をつける活動をしている団体で、北区NPO・ボランティアぷらざで音声ガイドの制作検討会などを行っています。「音声ガイド」とは、台詞の合間や場面転換時などに、映像の視覚情報をナレーションで入れるものです。  11月11日(日)、ぷらざでの活動前に、事務局の島田延明さんにお話を伺いました。 「ここでは、定期的に検討会を行っています。検討会では、ライター(「ディスクライバー」と呼ぶ)が書いた音声ガイドの原稿(台本)を障碍者の方にモニターしてもらいながら、監修者の意見をもらいます。」  この日は、島田さんの他に3名の方が学習室に集まりました。DVDを流しながら、ディスクライバーの武藤さんが映画につけた原稿を視覚障碍者モニターの?きねむち?杵鞭?さんに聞いてもらい、監修者の堀内さんと相談して原稿を直していきます。この日が2度目の検討会になるそうです。    堀内さんはNPOの前身である『City Lights』発足当時からの会員で、 「音声ガイドが、もっと全国に広がっていくといいですね。」「こうやって、同じ映画を何十回と見ていると、最初と違うところが見えてきたりしますし、どんな映画も好きになります」と話してくださいました。 「違和感がなく、分かりやすい」音声ガイドを作成するというのは、「あまり説明し過ぎず、同音異義語、聞き慣れない言葉は使わない、具体的で客観的な表現を心がけ、解釈を押し付けないよう心がける」など、そう簡単ではないようです。 「どの情報を優先させるかを決めて、言葉を削っていったり、演出の意図を汲み取る」といった苦労があるようです。完成した音声ガイドにナレーションを付けて作品が完成します。
音声ガイドの制作検討会の写真

12月15日(土)の午後、CAPが制作した音声ガイド付きDVDの体験上映会が開かれた(社会福祉法人)日本点字図書館に行ってみました。JR・西武新宿線の高田馬場駅近くにあり、「滝」をイメージして、鎖が無数に垂れ下がるビルは美術館のように個性的で、この界隈でも評判の建物。ここでは、全国各地へ郵送で図書の貸し出しを行うなど、視覚障碍者のための様々な事業を行っています。総務部長の小野さんのお話では、月に1度の上映会に関東圏内から70名程が集まるとのこと。 「レンタルショップを利用する視覚障碍者も少なくないんですが、やはり、音声ガイド付きの方が解かりやすいので、ハリウッドで行われているように、映画会社と協力して、製作段階から音声ガイドをつけるようにしていきたい」という展望をお持ちだそうです。
今日の上映作品は、スピルバーグの名作『E.T.』。音声ガイドの操作を担当する島田さんとディスクライバー(ライター)の作品解説があり、『E.T.』のフィギュアを客席に回します。上映が始まると、付き添ってきた健常者はスクリーンを見つめ、障碍者は音声ガイドに聴き入ります。私も目を閉じて、滑らかな男の人の声を頼りに想像力をフルに働かせてみました。友情の素晴らしさが心に響き、感動で涙腺がゆるみました。また、聴衆が一体となって映画に集中する雰囲気を味わうこともできました。  終了後、観客の方たちにお話を伺ったところ、「千葉の向こうから、内房線と総武線、山手線を乗り継いで、一人で来ました。今回で2回目ですが、とっても良かったです。」「映画が好きなので、横浜から毎回、来ています。人間性あふれる作品でしたね。」「江戸川区に住んでいます。息子の通う弱視学級に上映会のお知らせがきたので、初めて来ました。」「無料でいい映画が楽しめるので、うれしいです。」 障碍の有る無しに関わらず、誰でも同じ文化レベルの生活をするには、劇場でも家庭のテレビでも、選べば「音声ガイド」を使えることが必要です。今回の取材を通して、そのことに気付くことができました。

事務局の島田延明さんの写真

事務局の
島田延明さん

音声ガイド付きDVDの体験上映会の写真

音声ガイド付きDVDの体験上映会

   
(取材: KiVo広報部 我妻澄江)

 

(1)団体立ち上げの時期・きっかけ

平成18年3月29日
任意のボランティア団体である、バリアフリー映画鑑賞推進団体City・Lightsでの5年にわたる活動を通じて、視覚障碍者の方々のニーズを理解し、経験を積んだディスクライバー(音声解説のライター)が仕事として音声ガイドを制作していこうとしたのがきっかけです。

(2)活動目的

CAPでは、これまで就労関係に使われることの多かった“ノーマライゼーション”という考え方を、映像メディアに広げていきたいと考えています。今まで視覚障碍者と共に培ってきた音声ガイドの技術で、映像メディアの楽しみを多くの人が共有できるよう、誰もが必要な情報を選択することのできるノーマライゼーションの実現を目指します。

(3)活動状況

ほぼ、年間を通じて休み無く活動しています。音声ガイドのユーザーは全国対象ですが、制作はほぼ東京都内で行っています。音声ガイド制作は、視覚障碍者のモニターチェックが必ず入りますので、その為のAV環境が整った都内の交通の便が良い施設、北とぴあや田町の東京都障害者福祉会館などの教室を利用して音声ガイドの検討会をしております。頻度は平均すると月に3、4回です。社会福祉法人日本点字図書館から年間15本程度の音声ガイド制作の委託事業を受けており、その制作が当団体の主な事業となっております。

(4)会員数・会員構成

45名 性別はほぼ半々の割合です。年代は40代〜50代が一番多く、居住地域は関東地方がメインです。職業は、サラリーマンから専業主婦まで多岐に渡っています。

(5)会の運営

理事会を月に1回行い全体の運営を決定します。普段の活動は事務局にて。総会は年に1度開催します。
会費:
正会員(個人)3,000円 
賛助会員(個人・団体・法人)1口1,000円(3口以上)

(6)活動を通して得たもの

映画という娯楽を通して、色んな人と知り合えた事。音声ガイドを制作する過程で映画に対する新しい楽しみ方を体験できる。今まであまり知られていなかった音声ガイドという新しい文化を自分たちが作って普及させていくという充実感や使命感など。

(7)  P R 視覚障碍者だけではなく、高齢者や健常者にとっても映画を楽しむ為の一つのツールとしての役割を音声ガイドが果たしていければ良いと思います。洋画に日本語字幕が付いているように、映画をはじめとして、あらゆる映像に、選択さえすれば音声ガイドを楽しめる社会環境にしていきたいと思っております。
(8)連絡先

ホームページ http://www.npo-cap.jp/
Eメール mail@npo-cap.jp

 


★北区を中心とした市民活動の情報を提供する『みにきたWeb』(下記HPアドレス)を、皆さんも是非一度、ご覧になってください!
  (HPアドレス:http://minikita.kitaku.net/

 

 ホームへ
 2008年1月号へ
 このページの先頭へ

サイトマップ当サイトの使い方お問合せ先
2007年12月27日更新版
〒114-8503 東京都北区王子1-11-1北とぴあ11階 電話:03-5390-1771 交通案内
開館日時:火曜日〜土曜日(10時〜21時)、日曜日(10時〜17時) 開館日程
Copyright - c東京都北区NPO・ボランティアぷらざ 2003- All Rights Reserved. 著作権情報等