北区NPO・ボランティアぷらざ
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わくわくドキドキ市民活動 KiVoぴっくあっぷ
  ☆「KiVo(きーぼ)」とは☆
  指定管理者として「北区NPO・ボランティアぷらざ」を運営している「NPO法人東京都北区市民活動推進機構」の愛称です。

 「わくわくドキドキ市民活動」は、『みにきたWeb(北区市民活動情報サイト)』登録団体を広くご紹介するページです。今月は、「NPO法人エンディングコミュニティー縁生舎」の理事 石塚信宏さんに団体紹介をしていただきます。

NPO法人エンディングコミュニティー縁生舎

■なぜNPOなのか −変わってきた葬儀を支える

 人の死亡率は100%です。どんなかたちであれ人は死を迎えます。それなのに、なぜか死とむきあうことをさけてさえいます。人が亡くなれば、葬儀(弔う、葬る)をします。それはその国や時代の習俗や文化として、伝えられてきました。敗戦ののち、やがて家から解放され、「確立された個人」という思想がすっかり定着し、一方で高度経済成長とともに、過疎化や都市集中、そして人口減少社会がすすみ、信仰(宗教)にさほど関心をもつこともなく、多くの場合、葬儀を無定見に、お金に任せて、葬儀社とお寺にゆだねてしまいました。さらに、少子化と高齢化、核家族化がすすみ、死までの間に、老いと病いのながく、うとましい歳月が介在します。バブルの崩壊ののちの、とめどもない不況とともに、さらに人びとのつながりがうすれ、支えも失われてきました。それらを背景にしての死であり、それをうけた葬儀のやり方に迷いや疑問がわきおこってくるのは時代の成り行きです。習俗やかたちにこだわった「お仕着せ」ではない、葬儀そのものにたいする問いかけがされるようになりました。
  日本では火葬にし、遺骨を埋葬するのは墓地にということが法律できめられているだけで、もともと葬儀はこうしなければというきまりはありません。自由な発想と多様な考え方で葬儀に取り組むことが出来ることに気づきはじめました。そして、こじんまりした家族葬、直葬(密葬)、自由葬がふえてきました。ところが葬儀の分野に市場原理をもちこんだ異業種の大資本が参入し、それまでの閉ざされた葬儀を明るみに出すことに狙いを定め、「消費者」としての葬儀の施主さんにオープン価格で訴求しはじめますが、これとても葬儀をイベント化する商業主義(利益追求)がベースにある以上、きめられたシステムとパターン(型式)を用いて葬儀を手際よく展開しながら、お互いに競争をしかけています。見てくれのよさと人気度で消費者の関心を誘い、またもや葬儀が歪曲されるのを憂います。そうではなく、別れた人びとの絆を葬儀を通してとりもどすことに、私たちNPOとしての使命があると思っています。

■活動がめざすもの

 これまで、なぜ葬儀をするのかについての問いかけが、欠落していたように思います。かつてはイエの継承に意味があり、社会的(会社や地域など)つながりが配慮され、死者をあの世におくる宗教的儀式として葬儀が行われました。最近は故人と残された人の「別れ」に重きをおくようになりました。大切な人を失った家族のもとに、親族や友人、知人が寄りつどい、悲しみを分かち合い、死を受容し、別れを告げることのプロセスが葬儀なのです。逝くものと、のこされたものとの間に、あらたな関係を結びなおすために葬儀はあるのだといえます。(いのちのバトンタッチ)

■どんな(活動)葬儀をしてきたか

 NPOフォーラムや地域の団体のイベントへの参加、地域のさまざまなグループや医療関係の団体での学習会や、出前のお話し会での広報活動をかさね、地域に根ざした人とのつながり、会員の仲間からの問いかけ、口コミなど、人々とのつながりを介してあたらしい葬送文化の創造に取り組んできました。あえてインターネットや広告を介しての宣伝はしません。葬儀にはきまったかたちはありません。葬儀の主体は故人であり、残された遺族の思いが大いに主張されてよいと思います。葬儀は「消費活動」として、賢くものやサービスをただ買うだけではなく、みずから考え、迷いながら選び、わたしたちもお身内の間柄で、ご一緒に支えてきました。「いい葬儀ができたね」と施主さんが納得できるのは、「共に営んだ」すえでのことです。
soudan  meeting
   イベント会場でのご相談ブース     「葬儀を決めるのはあなたなんです」と訴える

■これから

 まだまだ「葬儀のことがわからない」、そして不用意に死に直面する方が多い一方で、葬儀のことを考えよう、伝えようという方が次第にふえています。人にはその人だけのかけがえのない生身の人生があるのです。いかに生きるかということは、いかに死ぬかということです。死を忘れるな、そしてよく生きよう。「人生はすばらしい、人間はいとおしい」それを共有するために、葬儀はあるのだと思います。

NPO法人エンディングコミュニティー縁生舎
理事 石塚 信宏 記

 NPO法人エンディングコミュニティー縁生舎

(1)団体立ち上げの時期・きっかけ
平成16年に立ち上げ、6月に都の許可をうける。
形骸化した葬送・葬儀と不明瞭な葬儀業界からの脱却をめざす。

(2)活動目的
不可避な人の死と、それにともなう何らかの儀式(区切り)が、この時代にどうあるべきかを多くの方々に問いかけ、啓発活動を随所で開き、また葬儀そのものの執行をも「共に営む」活動をしている。

(3)活動状況
おもに戸田斎場を有効に活用しての独自の葬儀の企画、施行をする。
また不定期に学習会を開く。

(4)会員数・会員構成
会員数は40名ほど。学習会を通して会員がふえている。おもに北区、板橋区、練馬区に住んでいる高齢の女性が多い。

(5)会の運営
年1回の総会。月1回程度の活動報告および検討会を行う。会費は年3000円。

(6)活動を通して得たもの
一人一人みな違うということ。だから主体的に自分の価値観、考えをもつことの必要性を感じる。

(7)近日中の参加可能な活動
3人以上集まれば、どこへでもでかける「出張講座」の実施、個人的なことをご相談されたい方は連絡の上私たちの「サロン」へおでかけください。

(8)PR
「とてもいい葬儀ができた」「細かい心使いがとてもありがたかったです」みなさんから頂く言葉。私たちのはげみになります。それは喪主さんとお手伝いする私たちの心が通い合ったからです。「共に営むこと」が大切です。

(9)連絡先
E-mail  enjosya@ma.kitanet.ne.jp
みにきたWeb http://minikita.kitaku.net/gnkk01/mypage/index.php?gid=G0000080

※この取材について写真を多数使用した壁新聞『ぷらざNews』をぷらざサロンコーナーに掲示しています。ぜひご覧になってください!


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