KiVoぴっくあっぷ「NPO・ボランティア基礎講演会」

「KiVo(きーぼ)」とは

指定管理者として「北区NPO・ボランティアぷらざ」を運営している「NPO法人東京都北区市民活動推進機構」の愛称です。

今月は、3月13日に開催した2015年度NPO・ボランティア基礎講演会の実施報告を、運営スタッフの感想とともにお伝えします。

NPO・ボランティア基礎講演会

 2015年度NPO・ボランティア基礎講演会として『TSUNAMI VIOLIN「千の音色でつなぐ絆」チャリティコンサート~高校生×東日本大震災復興支援~』を順天中学校高等学校社会福祉部の皆さんと共催しました。貴重なヴァイオリン(背面には奇跡の一本松が描かれています)の音色とともに、会場全体で継続的な支援活動の大切さを感じる1日でした。

●基礎講演会をおえて 司会サポート 岡林圭子

 東日本大震災から5年が過ぎた今、被災地で一番求められているのは、「心の復興」であると言われます。いったい心の復興とは何でしょう?そして誰の心の復興なのでしょう?
 それは、もちろん被災された方々が、大きな悲しみの中から立ち上がり、自分の心を自分で元気にすることだと思います。
  でも、実際に現地に行って、被災された方々の声を聞いたり、一緒にそばに寄り添い、その悲しみを共にすることのできない私をはじめ、多くの人々は、どのようにして心の復興を支援していけばよいのでしょうか?私にはそのことに疑問がありました。でもその答えを今回のチャリティー・コンサートを企画運営した順天高校の生徒の皆さんと当日参加された皆様に教えていただいたように思います。
  進行サポート役として親子ほど歳の離れた私が、高校生たちとひとつの企画を一緒に進行してゆくのは、不安だらけのスタートでした。はじめは、打ち合わせの発言も彼らはボソボソと心細そう、はたしてやる気があるの?そんなことで復興の支援の心を伝えられるの?(順天高校の皆さん、ごめんなさい…つい自分の子育て時代のトラウマが…) 
 でも北区NPO・ボランティアぷらざのスタッフの方々は、高校生が自分でやる気スイッチを押せるようにずっと優しく見守り、けっして押しつけないで、彼らができることをサポートされていました。

  すると、打ち合わせの回を重ねるごとに、高校生たちはみごとに変身していったのです。そして迎えた3月13日本番当日。会場の出席者の方々が、全員まるで高校生たちの家族か知人のように、暖かい励ましの心で包んでくださったのです。そのおかげで、彼らは「まったく緊張しませ~ん」と話すぐらいに、彼らの力を100%発揮して、本番では最高の会を作り上げることができました。
  そのときにふと気がついたのです。「心の復興で、私たちができることとは、忘れないこと、そして見守り続けること」ではないかと。
  大きな悲しみを背負ったあなたがそこにいることを、私たちはけっして忘れません。今、前を向いて歩き始めたあなたを私たちはずっと見守り続けます。
  これを教えてくれたのは、順天高校の皆さんと会場の皆様です。皆さんと一緒に大切で暖かい時間を過ごせましたことを心から感謝いたします。本当にありがとうございました。

●貴重な経験 順天高校社会福祉部

 “3.11”
 この日におきた、あの悲痛な東日本大震災。それをテーマにかかげたTSUNAMI VIOLINのコンサートを無事におえることができた今、ほっと安堵の胸をなでおろしています。
 ふりかえれば、11月の末から企画し始めたこのイベントも、あっという間に終わってしまったなぁ、と少し淋しく思います。
 コンサートの企画、運営、物品販売の物品の仕入れなどゼロから全てを自分たちで作りあげるのは本当に大変でした。
 イベントはうまくいくのか、当日どれくらいのお客さんに来ていただけるのか…不安もたくさんありましたが、大勢の方にご来場いただき、本当に嬉しかったです。当日の運営もスムーズに行うことができたので良かったです。
 私たちは昨年12月25日、26日に宮城県石巻市・女川町を訪問しました。そこでは大川小学校の訪問や高校生が経営するカフェ「 」(かぎかっこ)、みらいサポート石巻など、たくさんの団体の方々や語り部の方から震災当時のお話しを伺いました。お話しはどれも自分たちの想像を超えて悲痛なものばかりでした。今でもその当時を思い出すと、胸がしめつけられます。
 お話しを伺うなかで、どうにか自分たちなりに支援ができないかと考えました。入場料・物品販売・募金でご協力頂いたお金を寄付するということ。お話しを基に学生発表という形で発表活動を行うこと。私たちの「やりたい!」と思った事を今回大きく反映させることができました。
 宮城訪問の際、私たち順天高等学校社会福祉部に貴重な経験をさせてくださった方々、イベントにお越しいただいた皆さん、今回のイベントを企画・運営するにあたりご協力頂いたすべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。

~ 当日の内容 ~

「千の音色でつなぐ絆」は、追悼の想いと復興への願いを音色に乗せ、“TSUNAMI VIOLIN”を千人のヴァイオリニストがリレーのように引き継いでいくプロジェクトです。tsunami violin

 日 時:2016年3月13日(日)午後2時~4時
 場 所:北とぴあ つつじホール  参加者:196名

<ステージプログラム>
 ☆TSUNAMI VIOLINのお話し 「命をつなぐ木魂(こだま)の会」 大庭泰三さん
 ☆TSUNAMI VIOLINの演奏(洗足学園音楽大学)
   西尾ヨシ子さん(ヴァイオリン)456人目/1000人
   山本緑さん(ピアノ)
 ☆現地視察報告発表 順天高等学校社会福祉部
 ☆全体合唱~順天高等学校合唱部と共に~
   伴奏 西尾ヨシ子さん、山本緑さん

<ホワイエ>
 ☆現地報告展示  ☆石巻・女川の物品販売
 ☆メッセージ記入【「小さな命の意味を考える会」の方たちに声を届けましょう!】  

~ ご報告 ~
 <寄付>入場料、物品販売、募金ボックスをあわせ165,000円を、次の3か所にご協力いただきました皆様のお気持ちとともに寄付いたしました。
 ◆小さな命の意味を考える会 100,000円
 ◆かぎかっこ「 」PROJECT  35,000円
 ◆みらいサポート石巻       30,000円