「KiVo(きーぼ)」とは
指定管理者として「北区NPO・ボランティアぷらざ」を運営している「NPO法人東京都北区市民活動推進機構」の愛称です。
今月は、3月30日(日)に開催した「地域災害おたすけ隊フォローアップ講座」についてお伝えします。
“地域災害おたすけ隊”とは
災害が起きてしまったときに「誰かの力になりたい」「自分にも何かできることがあれば」という思いがある中学生以上の方を対象に、北区NPO・ボランティアぷらざ指定管理者の特定非営利活動法人東京都北区市民活動推進機構(以下、機構)が実施している登録制度の名称です。
2025年5月22日時点で、10代~80代の幅広い年齢層の方が107名登録しています。
登録にあたり、個々の特技や知識、体力を活かしながら、被災者に寄り添った視点で災害ボランティア活動ができるよう、「災害ボランティア養成講座」【一般編】(詳細は10ページ参照)もしくは【ボランティアリーダー編】の受講を必須とし、災害ボランティアの基本や核となる考え方などを知っていただく機会を設けています。
登録後も、災害・防災について学びの機会を提供する目的として「フォローアップ講座」の実施、災害関連講座の運営サポート、被災地に赴いての支援活動、国内外の災害支援情報の提供などを行っています。
フォローアップ講座とは
フォローアップ講座は、地域災害おたすけ隊(以下、おたすけ隊)登録者を対象とした任意参加の講座です。自身の知識を深めつつ、そこで学んだことを身近な家族、友人、隣人等、多くの方へ伝えていただきたいと考えているため、1年間に複数回実施しています。
昨年度は、おたすけ隊メンバーが講師となり、災害時に役立つ手話や災害トイレ、被災地での支援活動経験を学び合う「おたすけ隊懇親会」、坂道で車いすを押す・水を背負って階段を上る等、災害時を想定して自身の体力を確認する「災害避難支援体力測定」、災害時に役立つ中国語・英語を学ぶ「緊急・災害時の外国語」を開催し、多くのおたすけ隊が参加しました。
首都圏外郭放水路見学の様子
近年、気候変動の影響もあり、大雨・洪水等の被害も日本各地で見られ、荒川が流れる北区でも水害は看過できない課題です。そこで、3月30日(日)に、2024年度第4回地域災害おたすけ隊フォローアップ講座として、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」の施設を、おたすけ隊18名と機構職員で見学しました。
首都圏外郭放水路は、洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路です。中川、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川といった中小河川が洪水となった時、洪水の一部をゆとりのある江戸川へと流すことができます。その結果、周辺地域で浸水する家屋戸数や面積の大幅な削減や、長年洪水に悩まされてきた流域被害の大きな軽減を導きました。
首都圏外郭放水路は、河川から地下に水を取り込む「立坑」、地下で水を送り込む「トンネル」、水勢を弱めスムーズな排水を促す「調圧水槽」、水を江戸川に吐き出す「ポンプ設備」などで構成されており、今回は、調圧水槽内部を見学しました。調圧水槽は、長さ177メートル、幅78メートル、高さ18メートルの巨大な水槽で、ポンプを緊急停止させた時に発生する逆流を調整する等の役割があり、そのスケール、そびえ立つ柱の様子から「防災地下神殿」と呼ばれています。施設全体の様子は、併設の龍Q館にて、ポンプなどの模型の展示等を見ることができ、首都圏外郭放水路の機能や役割について、知ることができます。詳しくは首都圏外郭放水路HP(https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/index.html)をご覧ください。
今回の見学で新たに知った治水対策を周囲の方に伝えることで、防災や水害に強いまちづくりへの関心につながることを願ってやみません。

首都圏外郭放水路参加者感想(原文ママ、一部抜粋)
◇設備の規模、治水計画の壮大さに圧倒されました。知らずに恩恵を受けていたことも分かり勉強になりました
◇近年の拡大洪水被害をこの地下建造物により最小限の被害で収める百年未来に続く施設で有るよう願います
◇今回、地下宮殿のような「首都圏外郭放水路」を見学して水の恐ろしさ、それを克服するため遊水池的なものを地下に造り少しずつ治水していく、これほど水に対して安心できる施設をわが町にもほしい
◇中はギリシャのパルテノン神殿モチーフに打たれた杭が4本位並んで、そこに実際水害発生した時の放水の方法等教えて貰いました、貴重な体験させて貰えました、また、予定合う時間有れば、フォローアップ企画に是非参加してみたいです
◇中小河川の洪水を江戸川に放流し、埼玉や東京の下流部で水害を軽減するための工夫がよくわかりました
◇地下施設の治水技術と役割を学び、防災における治水の大切さを実感しました。ありがとうございました
◇河川の氾濫被害を生じさせないため、造られた巨大な設備を見たことで、防災も大切であると実感した

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おたすけ隊は、現場での活動が難しくとも、機構からの情報や講座で得たことを地域の方へ共有したり、地域のボランティア活動依頼を機構へ伝えることも、大切な活動の一つです。災害が起こらないことが一番ですが、防災は、日常生活の中で災害時に備え、できることを考え、取り組むことが重要です。当機構は、地域の皆さんと災害に強い関係づくりを目指していきたいと思います。
登録に伴う直近の講座(災害ボランティア養成講座【一般編】)は、6月24日(火)に実施します(詳細は10ページ参照)。災害ボランティア養成講座【ボランティアリーダー編】は、8月~10月に実施予定です。
皆様のご登録、ご参加をお待ちしています。
(北区NPO・ボランティアぷらざ事務局)